概要
社会福祉士は、身体的・精神的・経済的に困難を抱えている人々の相談に応じ、生活上の問題解決を支援する専門職の国家資格者です。
社会福祉士の主な役割は、利用者が尊厳を持って自立した生活を送れるように支援することです。公的制度や福祉サービスの活用を促し、行政機関や医療機関など多様な関係者と連携しながら包括的な支援を行います。
福祉施設、医療機関(医療ソーシャルワーカー)、学校(スクールソーシャルワーカー)、行政機関など多岐にわたり、相談業務を中心に、幅広い職域で専門性を発揮しています。
試験内容
受験資格
社会福祉士国家試験の受験資格は、以下のいずれかの条件を満たすことが必要です。
- 厚生労働大臣指定の社会福祉士養成施設(大学、短期養成施設、一般養成施設等)で所定の課程を修了した者
- 社会福祉士養成施設に準じる養成施設で所定課程を修了し、実務経験を有する者
- その他所定の実務経験を持ち、厚生労働大臣が認める者
通信制での受講や、社会人のための特例的な養成ルートも存在し、多様な経路で受験資格を確保可能です。
試験方式
- 筆記試験(マークシート方式による5択問題)
- 共通科目(午前)と専門科目(午後)に分かれる。
出題範囲・出題数
| 科目区分 | 科目名 | 出題数(問) | 内容概要 |
|---|---|---|---|
| 共通科目 | 人体の構造と機能及び疾病 | 7 | 生物学的基礎知識、疾病の基本 |
| 共通科目 | 心理学理論と心理的支援 | 7 | 心理学の理論と支援技術 |
| 共通科目 | 社会理論と社会システム | 7 | 社会構造、社会政策の基礎 |
| 共通科目 | 社会福祉の原理と政策 | 10 | 社会福祉制度や政策の全般 |
| 共通科目 | 福祉行財政と福祉計画 | 7 | 福祉組織の管理、計画 |
| 共通科目 | 社会保障 | 7 | 年金、医療、福祉などの保障制度 |
| 専門科目 | 相談援助の基盤と専門職 | 21 | 相談援助の理論・方法 |
| 専門科目 | 高齢者に対する支援と介護保険制度 | 10 | 高齢者福祉と介護の法制度 |
| 専門科目 | 児童・家庭福祉 | 7 | 児童・家庭向けの福祉施策 |
| 専門科目 | 障害者福祉 | 7 | 障害者支援制度とサービス |
| 専門科目 | 保健医療サービス | 7 | 医療と福祉の連携 |
| 専門科目 | 生活困窮者支援 | 7 | 生活保護と経済的支援 |
| 専門科目 | 地域福祉の推進 | 7 | 地域包括ケアシステム |
| 専門科目 | 福祉サービスの組織と経営 | 7 | 福祉施設運営と経営 |
| 専門科目 | 低所得者・被災者支援 | 6 | 被災者支援や生活再建 |
| 合計 | – | 129問 | – |
試験時間
合格基準
合格率
近年は40〜45%台で推移
受験料
約17,000円前後
受験会場
全国主要都市に設置され、詳細は試験実施主体である社会福祉振興・試験センター等から通知される。
合格後
STEP1
合格発表・通知
- 合格発表があり、合格者には合格通知書が交付されます。
STEP2
登録申請
- 合格後、資格を正式に取得するために「社会福祉士登録申請」を厚生労働省または指定機関に行います。
- 登録申請書と必要書類(合格証明書、住民票、写真など)を提出します。
STEP3
登録完了と資格取得
- 申請手続きが完了し、正式に登録されると「社会福祉士」の資格が付与されます。
- 登録証が発行され、福祉関連の業務に従事できるようになります。
STEP4
就職・就業開始
- 登録後は福祉施設、医療機関、行政機関、相談支援センターなどで社会福祉士として働けるようになります。
STEP5
継続教育(義務は一部地域で)
- 一部の地域では継続的な研修や講習の受講が義務付けられている場合があります。
- 専門性の維持向上のため、最新の知識や技術を学ぶための研修参加が推奨されます。
