概要
歯科医師国家試験は、日本で歯科医師免許を取得するために必須となる国家試験です。
厚生労働省が実施しています。
歯科医師国家試験は、歯科医師として必要な知識・技能を問う厳格な試験であり、出題範囲は広く、合格基準も高いため、計画的な学習と過去問演習が重要です。
試験内容
受験資格
- 学校教育法に基づく大学(歯学部・歯科大学)で歯学の正規の課程を修めて卒業した者、または卒業見込みの者
- 歯科医師国家試験予備試験に合格し、その後1年以上の診療および口腔衛生に関する実地修練を経た者(実地修練終了見込みの者も含む)
- 外国の歯科医学校を卒業、または外国で歯科医師免許を取得し、厚生労働大臣が上記と同等以上の学力・技能を有すると認定した者
- 沖縄復帰前に琉球政府の歯科医師法に基づく免許を受けたとみなされ、厚生労働大臣が認定した者
以上のいずれかに該当する者
試験方式
マークシート方式
※実技試験はなし
出題範囲
- 必修の基本事項:医の倫理、社会と歯科医療、予防・健康管理、人体の構造・機能、主要な疾患・症候、診察・検査・治療の基礎など
- 歯科医学総論:保健・医療、正常構造・機能、病因・病態、診察・検査・治療、歯科材料・医療機器など
- 歯科医学各論:成長・発育、歯・歯髄・歯周組織、顎・口腔疾患、高齢者・有病者・障害者の歯科診療、歯科疾患の予防・管理など
※出題基準は4年ごとに改定されます
出題数
全360問(560点満点)
- 必修問題:80問(1問1点)
- 一般問題:180問(1問1点)
- 臨床実地問題:100問(1問3点)
試験時間
2日間で合計9時間 (午前2時間15分+午後2時間15分を2日間)
合格基準
- 必修問題:80問中64点以上(80%以上)
- 一般問題・臨床実地問題:領域A(総論)、領域B(各論)ごとに設定され、毎年平均点と標準偏差をもとに基準点が決まるため変動します
- 全ての区分で合格基準を満たすことが必要
合格率
近年は61~70%程度
受験料
18900円
受験会場
北海道、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、大阪府、広島県、福岡県の8都道府県
合格後
STEP1
歯科医師免許の申請
合格後、速やかに住所地の保健所(一部県では県庁)で歯科医師免許の申請を行い、厚生労働省が管理する歯科医籍に登録される必要があります。申請には健康診断書や住民票、6万円分の収入印紙などが必要です。免許申請をせずに業務に従事すると行政処分の対象となります。
STEP2
卒後臨床研修の受講
歯科医師免許を取得した後、原則として1年以上の臨床研修(指定された研修施設での実地研修)を受けることが義務付けられています。これにより、歯科医師としての基本的な診療能力や人格を身につけます。
STEP3
臨床研修終了後の進路
臨床研修を修了すると、一般の歯科医院への就職、開業、大学院進学、行政や自衛隊の歯科医、企業や教育機関への就職など、さまざまな進路が選択できます。
STEP4
専門医資格の取得
歯科医師免許取得後、さらに専門学会の研修や試験を経て、歯科麻酔専門医、歯周病専門医、小児歯科専門医などの専門医資格を取得することも可能です。
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