概要
毒物劇物取扱者試験は、毒物及び劇物の製造・輸入・販売等に従事するための国家資格試験です。
合格すると「毒物劇物取扱責任者」として業務ができ、法令に基づいて毒物・劇物の管理責任者となり、社会的に重要な安全管理業務に従事できます。
試験内容
受験資格
- 基本的に年齢、学歴、性別に制限なしで、誰でも受験可能です。
 - 3つの区分から選んで受験できます。
- 一般(全品目の毒物・劇物取扱責任者)
 - 農業用品目(農業用の毒物・劇物のみ取扱い)
 - 特定品目(特定の毒物・劇物のみ取扱い)
 
 - 一般合格者は製造・輸入・販売業の責任者になれます。農業用品目・特定品目合格者は製造業の責任者になれません。
 
試験方式
- 筆記試験と実地試験で構成されるのが一般的。
 - 筆記試験はマークシート形式(5肢択一式)
 - 実地試験は筆記形式の識別・取扱いに関する出題
 
出題範囲
- 毒物及び劇物に関する法規
- 毒劇物取締法、関係法令、許可・登録制度、販売・保管規制、輸送規制などの理解。
 
 - 基礎化学
- 原子・分子の構造、物質の状態、化学反応の基礎、濃度計算、安全管理に必要な化学知識。
 
 - 毒物・劇物の性質及び貯蔵・取扱い方法
- 毒物・劇物の物理的・化学的性質(引火点、爆発範囲、揮発性など)、適切な貯蔵方法、安全管理、事故時の対応。
 
 - 毒物・劇物の識別・取扱い方法(実地試験)
- 実際の毒劇物識別、種類判別、取扱い実務の理解・適用など。
 
 
※農業用品目では、上記の農業用品目に特化された内容が出題
※特定品目では、特定品目に関する内容が出題
出題数
一般:約70~75問
農業用品目:約45~50問
特定品目:約35~40問
- 実地試験(主に一般区分のみ)は数問の記述式や判別問題が加わります。
 - 各都道府県の実施内容により多少の差異があります。
 
試験時間
午前9時30分~正午(約2.5時間)筆記試験
午後1時~4時30分(約3.5時間)実地試験(試験地や回による)
合格基準
- 総得点の60%以上かつ各科目40%以上が標準的な合格基準。
 - 科目間の足切りや総合評価が行われます。
 
合格率
都道府県により異なるが、一般区分は30~60%程度。
農業用品目・特定品目は低めの傾向。
受験料
10,000~13,000円程度(都道府県ごとに変動)
受験会場
各都道府県の指定公共施設や行政機関等で実施します。
受験案内および受験票に詳細記載しております。
合格後
STEP1
合格通知の受領
合格発表後、試験結果通知書や合格証明書が郵送されます(詳細は開催自治体による)。
STEP2
免状交付申請
- 合格通知に同封または案内されている「免状交付申請書」に必要事項を記入。
 - 写真、手数料(約2,900円)、返信用封筒など必要書類を揃え、所定の試験実施機関や管轄保健所に提出します。
 
STEP3
免状交付・受領
申請後、約2~4週間で「毒物劇物取扱責任者免状」が郵送等で交付されます。
STEP4
免状の活用
- 免状は全国有効で、製造・販売・取り扱い業務に必須の資格となります。
 - 免状は7~10年ごとに写真更新が求められますが、資格そのものの更新や再取得は不要。
 
