概要

公認心理師は、心理学に関する専門知識・技術を持ち、保健医療、福祉、教育、司法、産業労働など幅広い分野で活動する日本初の心理職国家資格です。

公認心理師法に基づき、国の指定試験に合格し登録を受けた者だけが「公認心理師」の名称を使い業務を行えます。

科学的根拠に基づく心理支援を行い、多様な問題の解決を目指す心理職の専門家であり、現代の社会的ニーズに即した重要な国家資格です。

試験内容

受験資格

区分A(一般的ルート)

  • 4年制大学で指定された25科目を履修して卒業
  • 大学院で施行規則で定められた10科目履修して修了
  • 450時間以上の心理実践実習を修了

区分B

  • 4年制大学で指定された25科目履修後卒業
  • 厚生労働大臣認定の施設で2年以上の公認心理師関連実務経験を積む

区分C(外国の大学・大学院を修了した場合)

  • 外国の大学で心理学を履修し卒業
  • さらに外国の大学院で心理学の課程を修了

特例措置D1

  • 2017年9月15日以前に大学院を修了し、所定科目を履修済みの者

特例措置D2

  • 2017年9月15日以前に大学院に入学し、同日以後に所定科目を修了した者

特例措置E

  • 2017年9月15日以前に4年制大学を卒業し所定科目を履修後、
    大学院でさらに所定科目を修了した者

特例措置F

  • 2017年9月15日以前に大学卒業と所定科目履修を済ませ、
    厚労大臣認定施設で2年以上の実務経験を積んだ者

※450時間の心理実践実習は必須で、実技教育も受けます。

※各区分で修了科目や実務経験など細かな違いがあるため、進学や就職先のカリキュラム確認が重要です。

試験方式

筆記試験のみ

全問マークシート方式(4択または5択)

出題範囲

  • 出題範囲は「公認心理師として必要な知識及び技能」に関する幅広い領域。
  • 主な領域:
    • 公認心理師の職責・倫理
    • 心理学の基礎(認知、発達、社会心理学等)
    • 臨床心理学(心理療法など)
    • 発達障害や精神疾患の理解
    • 心理的支援の方法と技術
    • 福祉・教育・医療分野の心理学的知識
    • 最新の研究動向や多職種連携

問題数

約150~200問(年度により若干変動)。

試験時間

午前120分・午後120分の計240分

合格基準

総得点の約60%程度以上(問題の難易度により補正あり)

合格率

約65~70%前後(近年の傾向)

受験料

28,700円(非課税)

受験会場

東京都、大阪府のみ

合格後

STEP1
合格発表

合格者には合格証書が交付されます。一般財団法人公認心理師試験研修センターのシステムからPDFをダウンロード可能です。

STEP2
登録申請書作成と手数料納付
  • 登録申請書類作成システムにログインし、必要事項を入力します。
  • 新規登録手数料(約23,000円程度)をクレジットカードやコンビニ決済で納付。
STEP3
申請書類の郵送提出

必要書類をそろえ、「公認心理師試験研修センター」あてに郵送します。郵送は簡易書留が指定されています。

STEP4
登録申請受付および審査

試験研修センターが申請を受理し、書類審査を行います。申請が集中すると3か月程度かかる場合があります。

STEP5
公認心理師登録

審査に通ると「公認心理師登録簿」に名称登録され、登録証が交付されます。

STEP6
資格名の使用と業務開始

登録が完了すると法的に「公認心理師」を名乗り、心理業務を正式に開始できます。