概要
司法書士試験は、法律実務の高度な知識と実践的問題処理能力を問う国家試験です。
広範な法律科目にわたり、記述式で実戦的な書式作成能力も求められる難関国家資格試験です。
弁護士はすべての法律業務を行えますが、司法書士に許される代理業務は主に登記・供託と、簡裁(訴額制限あり)の民事事件などに限られます。
試験内容
受験資格
年齢・性別・学歴などの制限なし。誰でも受験可能。
試験方式
出題範囲
- 憲法
- 民法
- 商法・会社法
- 刑法
- 不動産登記法
- 商業登記法
- 民事訴訟法
- 民事執行法
- 民事保全法
- 司法書士法
- 供託法
出題数
- 択一式:午前35問・午後35問(合計70問)
- 記述式:2問(不動産登記法1問、商業登記法1問)。
- 合計:72問・350点満点
試験時間
- 午前の部:2時間(9:30~11:30)
- 午後の部:3時間(13:00~16:00)
- 合計5時間(筆記試験)
合格基準
- 午前の択一式、午後の択一式、記述式ごとに基準点(足切り点)あり
- それぞれの基準点+総合得点上位者が合格
- 合格点と基準点は年度により変動(相対評価、例:合格率4~5%前後で調整)。
合格率
例年3.5~5%で推移
受験料
8000円
受験会場
東京、横浜、さいたま、千葉、静岡、大阪、京都、神戸、名古屋、広島、福岡、那覇、仙台、札幌、高松の15会場
合格後
STEP1
合格発表
筆記試験合格は10月初旬、口述試験合格発表は11月初旬に行われます。
STEP2
就職活動開始
- 筆記合格発表後から就職活動を開始するのが一般的です。
- 口述試験はほとんどの受験者が合格するため、合格発表を待たずに動き始める人も多いです。
STEP3
新人研修の受講
- 日本司法書士連合会や各司法書士会が主催する新人研修を受講します。研修は中央研修、ブロック研修、司法書士会研修(配属研修)に分かれ、12月から翌年3月ごろに行われます。
- 研修は実務に直結した知識や倫理観を学ぶ場で重要です。
STEP4
特別研修・認定考査(希望者のみ)
簡易裁判所での訴訟代理が可能な認定司法書士になるには特別研修と認定考査の合格が必要です。
STEP5
司法書士会・日本司法書士連合会への登録申請
- 必要書類を提出し、審査を受けます。審査は数週間かかります。
- 問題がなければ司法書士としての登録証が交付されます。
STEP6
司法書士証の交付と業務開始
登録証の交付により正式に司法書士として活動可能となり、各地域の司法書士会に所属して業務を開始します。
STEP7
登録後の活動
登録後は仕事獲得や更なる研修、勉強を続けながら専門性や実務力を高めます。