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問題

1.大空を舞う鷙鳥の鋭い眼光が、地上の獲物を捉えた。

2.敵の狙いは、我が軍の兵站を断ち、部隊を孤立させることだ。

3.属国の王が、宗主国である大国の皇帝に朝覲し、忠誠を誓った。

4.交渉が荏苒として進まない。

5.齧歯動物の進化は、その発達した齧歯に見て取れる。

6.青年は社会の羈軛を逃れ、自由な人生を求めて旅立った。

7.彼の努力を藐視するような発言は、決して許されない。

8.森の奥からは、潺湲たるせせらぎの音が聞こえてきた。

9.成功するまでは、粉齏の生活を続ける覚悟だ。

10.先生の慫慂を受けて、私は発表会に出演することにした。

解答・解説

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1.鷙鳥(しちょう):ワシやタカのように他の動物を捕らえて食べる「猛禽(もうきん)」のこと。

:【音】シ 【訓】あらどり、あらーい、うーつ

①あらどり、猛禽 ②荒い ③撃つ

鷙鳥百を累ぬるも一鶚に如かず」(しちょう ひゃくをかさぬるも いちがくにしかず)

意味:無能な者がいくら大勢集まっても、一人の有能な人物には及ばない

出典:「漢書」

※鶚(みさご):魚を取るのが上手な大きな鳥→有能な人物の比喩


2.兵站(へいたん):軍事用語で、後方から人員、食料、武器などの補給、負傷者の治療など、戦争を遂行するための後方支援全般のこと。

:【音】タン 【訓】たーつ、たたずーむ、うまつぎ、えき

①立つ、佇む ②うまつぎ、宿場 ③駅


3.朝覲(ちょうきん):①諸侯や属国の君主が、上位の君主に拝謁すること

          ②年頭に、天皇が上皇や皇太后の御所に行幸して礼拝すること、またその儀式。

:【音】キン 【訓】まみーえる、あーう

まみえる、諸侯が天子にお目にかかる、会う


4.荏苒(じんぜん):時間が無駄に過ぎ去っていく様子、物事がだらだらと停滞して進まない様子。

:【音】ジン、ニン 【訓】え、やわーらか

①え、えごま(荏胡麻)、シソ科の一年草 ②まめ、そらまめ ③やわらか

:【音】ゼン

①草がしげるさま ②のびのびになるさま


5.齧歯(げっし):①動物のかじるための歯、門歯。

        ②ネズミ、リスなどの硬いものをかじって食べる習性を持つ齧歯類の略。

:【音】ゲツ、ケツ 【訓】かーむ、かじーる、かーける

かむ、かじる、くいこむ ②欠ける


6.羈軛(きやく):①旅の馬車や牛車にかけるくびき(軛)。

        ②(転じて)束縛、しがらみ、自由を奪うもの

:【音】キ 【訓】おもがい、たづな、つなーぐ、とりしーまる、たび、たびびと

①おもがい、くつわを固定するためにウマの頭の上からかける組み紐

②たづな

つなぐ、つなぎとめる、とりしまる、自由を拘束する

④たび、たびびと

・羈束(キソク):束縛すること

・羈絆(キハン):行動を拘束するものや事柄

・羈縻(キビ):①つなぎとめること ②中国が異民族を統治するための政策

・羈旅(キリョ):①旅 ②和歌などの部立ての一つ

:【音】ヤク、アク 【訓】くびき

くびき


7.藐視(びょうし):見下すこと、軽んじて侮ること

:【音】ビョウ、ミョウ、バク 【訓】ちいーさい、はるーか、とおーい

【ビョウ、ミョウ】①かろんじる ②ちいさい ③美しい

【バク】①はるか、とおい

姑射の山」(バクコヤのやま)(ハコヤのやま)

意味:①中国で、不老不死の仙人が住むという想像上の山の名前のこと

   ②上皇または法皇の御所を祝っていう語


8.潺湲(せんかん、せんえん):①水がさらさらと流れるさまを表す表現。

             ②涙の流れるさま。

:【音】セン、サン

水がさらさら流れるさま、その音


9.粉齏(ふんせい):粗末な食事、質素な食事、清貧や謙虚な生活を表す表現。

:【音】セイ、サイ 【訓】なます、あえもの、あーえる、くだーく

なます、あえもの ②あえる ③くだく


10.慫慂(しょうよう):相手に勧めてその気にさせること、促して行動を起こさせること

:【音】ショウ 【訓】すすーめる、おどろーく

勧める、誘う ②おどろく

:【音】ヨウ 【訓】すすーめる

勧める