歯科矯正で欠かせない検査である「セファロ分析」
しかし、
- 分析点が多すぎる
- SNAやSNBが何を意味するかわからない
- 試験でどこを覚えればいいかわからない
と悩む学生も多いのではないでしょうか?
本記事では、セファロ分析の目的から具体的な分析方法、計測値の読み方まで解説します。
目次
セファロ分析とは?
セファロ分析とは、
頭部X線規格写真(Cephalogram)を用いて顎顔面形態を評価する方法
である。
目的
- 上下顎の位置関係の評価
- 歯の傾斜の評価
- 成長発育の評価
- 矯正治療方針の決定
- 治療前後の比較
セファロ写真の種類
側面セファロ
評価項目
- 前後的顎関係
- 垂直的顎関係
- 歯軸傾斜
正面セファロ
評価項目
- 顔面非対称
- 偏位
- 顎骨幅径
セファロ分析の流れ
STEP1 トレーシング
トレーシングペーパーを用いて
- 頭蓋底
- 上顎骨
- 下顎骨
- 切歯
- 臼歯
を描写する。

STEP2 分析点を記入
トレーシング後、各ランドマークをマーキングする。
※計測点が左右ある場合は、その中点をとる。
| 分析点 | 意味 |
|---|---|
| N (nasion) ナジオン | 前頭鼻骨縫合部の最前点 |
| S (sella) セラ | 蝶形骨トルコ鞍の中心点 |
| Or (orbitale) オルビターレ | 眼窩骨縁の最下方点 |
| Po (porion) ポリオン | 外耳道上縁の最上方点 |
| ANS (anterior nasal spine) 前鼻棘 | 前鼻棘の尖端点 |
| PNS (posterior nasal spine) 後鼻棘 | 後鼻棘の尖端点 |
| A (point A) A点 | ANSとPrとの間の上顎骨外形線上の最深点 |
| B (point B) B点 | IdとPogとの間の下顎外形線上の最深点 |
| Pog (pogonion) ポゴニオン | 下顎骨オトガイ部正中断面像外形線上の最前方点 |
| Ptm (pterygomaxillary fissure) 翼口蓋裂 | 翼口蓋窩の最下点 |
| Gn (gnathion) グナチオン | 顔面平面と下顎下縁平面とのなす角の2等分線が下顎骨オトガイ部正中断面像と交わる点 |
| Me (menton) メントン | 下顎骨オトガイ部正中断面像外形線上の最下点 |
| Go (gonion) ゴニオン | 下顎下縁平面と下顎枝後縁平面のなす角の2等分線が下顎顎角部外形線と交わる点 |
| Ba (basion) バジオン | 大後頭孔の前縁上の最下方点 |
| Ar (articulare) アーティキュラーレ | 頭蓋底下縁の陰影像が下顎枝後縁と交わる点 |
| Pr (prosthion) プロスチオン | 上顎中切歯間歯槽突起稜 |
| Id (Infradentale) インフラデンターレ | 下顎中切歯間歯槽突起稜 |
| Mo | 上下顎第一大臼歯の咬頭嵌合の中央点 |
| Is | 上顎中切歯切縁 |
| Ii | 下顎中切歯切縁 |

STEP3 基準平面を設定する
分析点を結んで基準平面を作る。
※計測平面が2本引ける場合は、その中線とする。
| 基準平面 | 意味 |
|---|---|
| SN平面 | SとNを含む平面 |
| フランクフルト(FH)平面 | OrとPoを含む平面 |
| Y軸 | SとGnを含む平面 |
| 顔面平面 | NとPogを含む平面 |
| 口蓋平面 | ANSとPNSを含む平面 |
| 咬合平面 | IsとIiの中点とMoを含む平面 |
| 下顎下縁平面 | 下顎下縁の後方部と下顎骨オトガイ部正中断面像の下縁の接面 |
| 下顎枝後縁平面 | Arから引く下顎枝後縁の接面 |

STEP4 計測する
ここで角度や距離を測定する。
| 計測項目 | 意味 | 評価 |
|---|---|---|
| 顔面角(facial angle) | 顔面平面とFH平面となす角 | オトガイ部の前後的位置 |
| 上顎突出度(angle of convexity) | 直線NAと直線APogとなす角 | オトガイ部に対する上顎歯槽基底部の前後的な位置 |
| フランクフルト下顎下縁平面角(FH plane to mandibular angle) | 下顎下縁平面とフランクフルト平面となす角 | 上顔面に対する下顎下縁の傾斜度 |
| 下顎角(gonial angle) | 下顎下縁平面と下顎枝後縁平面となす角 | 下顎角の離開度 |
| SN平面に対する下顎枝傾斜角(ramus to SN plane angle,GZN) | 下顎枝後縁平面とSN平面となす角 | 下顎下縁の傾斜度 |
| SNP角(SNP angle) | 直線SNと直線NPogとなす角 SN平面と顔面平面となす角 | 頭蓋底に対するオトガイの位置 |
| SNA角(SNA angle) | SN平面と直線NAとなす角 | 頭蓋底に対する上顎歯槽基底部の前後的位置 |
| SNB角(SNB angle) | SN平面と直線NBとなす角 | 頭蓋底に対する下顎歯槽基底部の前後的位置 |
| ANB角(ANB angle) | 直線ANと直線NBとなす角 SNA角-SNB角=ANB角 | 上下顎歯槽基底部の前後的位置関係 |
| 上下顎中切歯歯軸傾斜角(interincisal angle) | 上顎中切歯歯軸と下顎中切歯歯軸となす角 | 上顎中切歯歯軸と下顎中切歯歯軸との関係 |
| FH平面に対する上顎中切歯歯軸傾斜角(U1 to FH plane angle) | FH平面と上顎中切歯歯軸となす角 | 上顔面に対する上顎中切歯の傾斜度 |
| 下顎下縁平面に対する下顎中切歯歯軸傾斜角(L1 to mandibular plane angle) | 下顎中切歯歯軸と下顎下縁平面となす角 | 下顎骨体に対する下顎中切歯の傾斜度 |
| FMIA(Frankfrot-mandibular incisor angle) | 下顎中切歯歯軸とFH平面となす角 | 上顔面に対する下顎中切歯の傾斜度 |
セファロ分析結果の読み方
以下にセファログラムの例をあげる。

- SNA:84°
- SNB:78°
- ANB:6°
↓
上顎はやや前方
下顎はやや後方
ANB増大
↓
骨格性上顎前突(骨格性Ⅱ級)と診断する。
国家試験・CBTで狙われるポイント
覚えるべき項目
✅ SNA
✅ SNB
✅ ANB
特に「ANBから骨格性Ⅰ級・Ⅱ級・Ⅲ級を判定する問題」は非常によく出題されます。
まとめ
- セファロ分析は顎顔面形態の評価法
- まず分析点と基準平面を覚える
- SNA・SNB・ANBが重要
- ANBで骨格性Ⅰ級・Ⅱ級・Ⅲ級を判定できる
